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イノベーションは引き算から始めよう

序章


僕はSFCで経営学を主に学び、卒業後にアメリカの公認会計士の資格をとって、いまはフロリダ大学大学院のスポーツマネジメント修士を専攻しています。(さっさと卒業しろよというツッコミはお控えください)

何が言いたいのかと言うと、僕はコーチングや運動生理学は学んだことがなく、組織(チーム)のマネジメントも個人(選手)のコーチングも、体育学からではなく経営学の視点から考えてきました。ビジネスで使われるフレームワークは競技にいかせるし、経営学の理論は組織や人をマネジメントする際に有用だなと、学生の頃から感覚的に思ってきました

僕の思考や生き方に特に大きな影響を与えてくださったのは
大学の2年間ゼミでお世話になった上山信一教授です
マッキンゼーの共同経営者として企業や行政の改革に従事されてきた方です
その先生のもとで人生一厳しくご指導をいただいたことで
上山先生の改革や変革を起こす血が少しでも僕に流れていると信じております

今日は経営学の視点からTWOLAPSを紹介したいと思います

イノベーションは引き算からはじめる

いま僕のメンターをしてくださっている早稲田大学ビジネススクールの長谷川先生は

イノベーションは機能の引き算からはじめよう

とよくおっしゃいます

事例をあげてみましょう。スティーブ・ジョブスは一度アップルを去るものの12年の時を経て同社に復帰を果たします。彼が戻ってきたときのAppleは多様な製品とサービスを販売しようとし苦戦をしていました。そんな中、彼は300以上あった製品を10製品にまで一気に減らし経営資源を集中させました。削る思考は製品開発にも現れます。開発者がつけた機能の多くのお客さんにとって不要だとし、ユーザー視点で無駄な機能を徹底的に削っていきます。

同じようにフィットネス業界で急成長を遂げているカーブスは、フィットネス業界に必ず必要とされる、更衣室、シャワー、プール、男性客、男性スタッフという機能を削りいままでフィットネスジムに通いずらかった女性たちのニーズを捉えることに成功しました。

TWOLAPSが削ったもの

それと同じ発想で陸上の長距離界で当たり前に存在する機能を削りました

削る際に大事にしたのは

・アスリート(ユーザー)視点で無駄な機能
・コーチ(企業)が重要性を論理的に説明できないもの

という視点です。削ったのは以下の機能です、

・集合しての朝練
→好きな時間に起きてやればいい。だいたい勝手にやる。やらないのは田母神くらい。
・集合
→大事なことは選手のアップ中に個別に話す。自分の都合にあわせて練習に来れば良い。
・寮
→そもそもお金がないのでつくれない。
・日誌
→話すほうが多くの情報を引き出せるので不要。選手が自分のためにやるのであれば勝手にやればいい。
・体重管理
→嘘つくやつがいるので不要。というか走れてればいいので不要。
・団体行動
→無駄な時間が多いので不要。
・練習参加
→一人でできるなら不要。自由にしても勝手にくる。来ないのは田母神くらい。

つまり、管理を目的とするものの多くを削りました。管理や外的な動機付けが選手の行動規範の多くを占めている場合、自律した選手を育てるのは非常に難しいです。この辺はSelf Determination Theory という有名な論文を読んでいただくのが良いかと思います。
https://en.wikipedia.org/wiki/Self-determination_theory

外的な動機付けではなく内的な動機付けによって行動できる組織環境をつくることをチーム作りの最優先事項とし、不必要な“管理”という概念を排除することによってそれを実現させました。

そしてなにかを削るということでそれ以外に資源を集中させることができます。スティーブ・ジョブスは製品数を絞ることで1つの製品の開発期間を短くすることに成功しました。そうすることで他社よりも早く新しい機能を備えた商品を発表することができ競争優位につながりました。

TWOLAPSでは、管理を排除する代わりに他のことに資源(ヒト・モノ・カネ・時間)を費やすことにしました。

・動きづくり
・ストレングストレーニング
・リハビリテーション
・勉強会
・オフコミュニケーション

イノベーションは新しい技術だけを呼ぶのではなく、不要な機能を削りプロセスを変えることでも起こすことができます。

結果が出ずに既に1つチームをつぶしている人間がえらそうに言うのもなんですが、僕はこの組織づくりが正しいと思って前に進めています。強調したいのはそれは他の組織を否定するものではまったくないということです。いろんな組織があってそれに賛同する人がそこに集まればいいと思います。いろんな組織ができればそれを選ぶ側(選手)にもリテラシーが求められるようになります。

僕はこの組織づくりに賛同してくださる方達と新しい価値を生み出したいと思っています。コアとなる価値観を共有した仲間とだからこそ激しいトレーニングや過酷な状況を乗り越えられるのだと思います。組織づくりはそのための手段でしかないのです。これからも不要そうなものは容赦無く削っていきます。

最後に新谷さんの名言を紹介して今回のnoteを終わりたいと思います。

私は整理整頓が得意です。物も、人間関係も。

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