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陸上競技におけるプロについて考えてみる

TWOLAPSでコーチングをしている新谷選手(積水化学)が「プロってなんだろう」と素朴な疑問をtwitterで投げかけました

現役時代から多くのアスリートを見てきましたが、彼女ほど”結果”に対してこだわりや責任感をもって競技をしてきた選手はいないと思っています。なので彼女の投げかける”プロとは”という言葉にはとても重みがあります。

日本における陸上競技というスポーツではプロの定義はありません。なので、「言ったもの勝ち」という感が否めない世界です。

為末大さんはご自身のブログの中でこう書いています(2018年1月)

そもそもアマチュアとプロフェッショナルとは何か。いろんな見方があるが、私は技能のレベルが一段違い、またその技能によって生計を立てているという認識でいる。ではアマとプロの技能は本当に違うのかというと、もちろん違うところも大いにあるが、領域によってはさほど差がない。これまではそれでも何かしらの免許や、有名人として認識されることや、ある種のお墨付きによりプロとアマの境目が別れていたが、今後snsを含みあらゆる表現方法が誕生してくるとその境目がなくなっていくだろう。おそらくとてつもないレベルのプロ中のプロの世界と、それ以外のプロとアマが混在した世界に二分化されるのではないか。プロより上手いアマ、アマより下手なプロが誕生すると、次に困ることになるのが、一部を除いて一体誰が本当にすごいのかがわからなくなることだ。

プロより早い実業団ランナーがいる。プロより競技に専念している実業団ランナーがいる。実業団より早い市民ランナー/学生がいる。

と混沌とした日本陸上界の中で”プロ”を定義することは非常に難しいのが現状です。しかし、為末さんが述べられている”一体誰が本当にすごいのかわからない世界”はトップスポーツとしてあるべき世界なのでしょうか。

なので僕が勝手に考えるプロの基準をみなさまにお伝えできたらと思います
陸上競技を楽しむ方達がプロとはどういったアスリートなのかを見極めていただくしかないので、少しでも本物を見極めるのに役立てば幸いです。(僕が勝手に決めてるのでもちろん異論があるのは理解しています)

僕が考えるプロの基準は以下の4つで、すべて満たしている必要があると考えています。

①競技結果により生計をたてていること
②スポンサーor所属企業/支援者が望む結果や価値を提供していること
③+αの付加価値を提供できていること
④ぶれない競技哲学を持っていること


競技結果でのスポンサー収入や賞金で生計を立てないで他の価値を提供している場合は個人的にはプロランナーではなくて副業ランナーだと思ってます。


陸上競技にはファンという概念が希薄で、(ここではそれの良し悪しの議論はしません)スポンサー収入(or企業チームからの給与)が選手の大きな収益源ですお金を出す側が求める価値を提供できるかがプロの最低条件だと考えます。


社会貢献をしているか、メディア露出があるか、アスリートとしてのメッセージを発信できているかなど、期待に応えるだけでなく、期待値を超えていく価値を提供できているか


そして一番大事なのは、ブレない競技哲学を持っているか。自分はこういうアスリートだ。それを明示、黙示を問わず発信、体現できているか

私個人としては、大迫傑選手、設楽悠太選手、神野大地選手、新谷仁美選手は超プロだと思います。(それ以外にもたくさん”プロ”の方はいらっしゃいます)彼らの価値を毀損しないためにも”プロ “の使い方にはみんなが気をつけていって本物がわかる世界にしていきたいですね。

*写真は@EKIDEN_Newsさんからお借りしました

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